大森調節池−狭山丘陵と加治丘陵をつなぐ緑の拠点として−



 宮寺にある、不老川洪水用調節池です。広さは約6ヘクタール(内池は3.8ヘクタール)で、普段は立ち入り禁止です。
 自然に湧水が湧き出して池となるため、私達はここをコンクリート固めの池ではなく、「洪水機能を持たせながらも自然豊かな池」にしてほしいと、10年程前(1993年)から要望・提案してきました。
 1997年、県に植樹を許可されてからは、森づくりなど生物多様性のための活動を行っています。

◎大森調節池の動植物リスト(2004.10.31調査)  



池の整備工事終了(93年)--------------→緑に包まれた調節池(95年)


池の工事に伴う協議についてまとめました(要約したものです)

【出席者】
飯能県土整備事務所治水砂防課から2名
不老川川づくり市民の会から2名
埼玉県生態系保護協会から1名
埼玉県生態系保護協会入間支部から2名
【決定事項】
1) 今期の工事については浚渫工事を行う。ただし、工事時期・規模・範囲・工事による効果など具体的な内容が提示されなかった為、再度説明用の資料を提示する。それを受け市民側から生態系配慮の為の意見を述べる。
 また工事時には堰に溜まった土砂の除去についても行うよう市民側が要望。工事後の池と堰における土砂の堆積状況の調査については整備事務所が行う。

2) 工事の目的や対応雨量・実際の流入量や水位などの池の機能について再度確認を行う。


池の自然と活動 >>>

 たくさんの生き物が生息・繁殖しています。今までに700種を越える動植物が観察されていますが、年々自然が豊かになるというわけでもなさそうです。人による管理手入れが必要なようです。
 私達は水辺の自然づくりとして、植樹や草刈り、池の中の手入れ、ゴミ掃除など、又、生物の調査も行っています。


【毎年の作業】
草刈りとゴミ拾い。ゴミは道路から投げ込まれるらしい。



大森の池周辺の植生調査や植樹、勉強会が開かれた。


【99年冬の渇水】
救出作戦が行われたが人手が足りず、多くのフナやザリガニが死んだ。


不老川からの取れ口。水量の不足に加え、家庭雑排水の泡が水の汚れを見せ付ける。

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 植樹した約200本の木は、5〜6メートル程に成長しました。


【県の事業】
“森の妖精”ミドリシジミを呼ぶ為に植えられたハンノキの苗。

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 春先にはカエル救出を行っています。市にカエルトンネルまで作って頂き、応援頂いたのですが、2000年の3000匹から年々激減し、2003年には100匹程度の出現となってしまいました。


【カエルトンネル開通式】
お神酒を供えて竣工を祝った。公共事業としては異色かも。


トンネルを作ってもカエルが通ってくれるとは限らない。カエルを誘導する為のフェンス張りを行った。


大森の池の生き物たち >>>

 私達人間が守らなければ、姿を消すかもしれません。植生は毎年変化しており、常に観察する必要があります。


ミクリ(ミクリ科)レッドデータブック記載の稀少植物
宴}ツカサススキ


バンの卵


コサギ
宴Jワセミ(♂)


タカアザミ(キク科)で吸蜜するベニシジミ
宴lキトンボ(♂)


チョウトンボ(♀)
宴`ョウトンボ(♂)


マルタンヤンマ(♀)
宴Aオヤンマ(♂)


マイコアカネ(♂)
宴iツアカネの逆立ち


オオイトトンボ(♂)
宴Nロイトトンボ(♂)


ニホンアカガエル
宴wビ(名前不明。分かった方はご一報を!)


タヌキ


生態系保護協会って何? >>>

 支部では、大森の池の自然に関する情報を集め、ここを見守る方々と共有したいと思っています。小さなことでも情報をお寄せ下さい。

大森の池の生い立ちや10年間の観察記録などをまとめた情報誌
『−ガイドブック− 大森調節池の生き物たち』
 2001年1月発行/60ページ/1000円
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