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「すごい隣人“ハチ”」

◆ハチは日本に約4200種、世界には12万種います。昆虫の中では甲虫類と並んで最も繁栄しているグループです。

◆スズメバチ、アシナガバチ、ミツバチ等は集団で活動するもの(社会性ハチ)、ベッコウバチ、ドロバチ、ジガバチ等は単独で活動します。単独性のハチはクモやツユムシ等の獲物に麻酔をかける為、社会性のハチは巣を守る為に毒針を使います。人を刺すのは後者です。ただし、ハバチ、キバチの仲間やオスのハチは針を持たず刺さないので、巣に近付かない(例えばキアシナガバチの場合は半径1メートル以内)、手掴みしない等気を付ければ取り敢えず心配ありません。
 とは言え、死に至ることもあるハチ刺され。スズメバチには特に注意が必要です。アレルギー体質の人、一度に数十ヶ所刺された場合は危険です。オオスズメバチは攻撃性が高くなると、2〜3日その状態が続きます。

◆一度刺してハチの方が死ぬのはミツバチだけです。針の先がかぎ状になっていて、抜くことが出来ない為です。大人しいハナバチでも素手で掴めば刺しますし、温和なカリバチでも巣に近付くと攻撃されます。ハチ各々の性質や巣の在処を知って、ハチ合わせしないようにしましょう。

◆ハチの中には、数が減り、全滅危惧種に指定された種類もあります。原因として、気象の変化や農薬の影響が考えられます。
 ハチは生態系のバランスを保つのに大きな役割を担っています。果物や野菜の受粉等では、直接的に人の役に立っています。ハチと接する時は、「やさしく、注意深く」を心掛けて下さい。

◆ハチに攻撃されたら…
 首を刺されないようにしながら逃げましょう。手で振り払う等、ハチに対して横の動きをしないのが得策です。

◆それでも刺されたら…
 @毒を吸い出す(指でつまむか、ポイズンリムーバーを使用)
 A傷口を洗い、抗ヒスタミン系クリームを塗る(アンモニアは無効)
 B場合により、皮膚科を受診する。


身近な社会性ハチのプロフィール
オオスズメ (女王)40〜44ミリ (働き)26〜38ミリ
世界最大のスズメバチ。自然の多いところで地中にに巣を作る。他のハチの巣を襲う。
キイロスズメ (女王)26ミリ (働き)17〜24ミリ
天敵のオオスズメバチを避け、街中に大きな巣を作る。
コガタスズメ (女王)25〜29ミリ (働き)21〜27ミリ
生垣等に巣作り。体色がオオスズメバチに似る。
ヒメスズメ (女王)32〜35ミリ (働き)25〜35ミリ
大人しい性質。アシナガバチの巣を襲う。
セグロアシナガ、コアシナガ 人家近くに巣作り。ごく普通に見られる。
フタモンアシナガ、ムモンホソアシナガ、キアシナガ 草地、やぶ等の自然が多いところに巣作り。
ニホンミツ、セイヨウミツ トウヨウミツバチの日本亜種。外来種やスズメバチに狩られる等して日本に定着しない。
トラマルハナ、コマルハナ 地中に巣作り。
クマ 羽音が大きいハナバチ。





「虫の事情も分かって下さい!」

◆地球温暖化が進み、冬から春になるのに「三寒四温」などと穏やかな移り方をしなくなりました。昨日と今日の気温差が10度以上と言うのも珍しくなく、生態系への悪影響が考えられます。

◆気温の影響だけではないのですが、春先の植物の芽吹きが早まっています。心配なのは、虫の発生がこの食草の変化に追い付いていないと言うことです。

◆野鳥や小動物のエサに適したチョウやガの幼虫が"育ち盛り"となる時期と、人が草を刈りたくなる時期が重なっているのは残念なことなのです。

◆虫(幼虫)はとてもデリケートで、例えば、グレープフルーツAの葉を食べていたナミアゲハの幼虫にグレープフルーツBの葉を与えても食べない場合がある程なのです。

◆どの虫が何を食べるのか…?
ふる里の雑木林や野原を舞うチョウやガの幼虫は在来種の野草、つまり雑草と呼ばれているものを食草としていることが殆どです。「今夏は電線に止まって鳴き交わすツバメのヒナをあまり見掛けなかった」となるのも、根拠のない現象とは言い切れないのです。




環境フェアにて展示『草ってじゃまもの?』より、解説「日本草・日本虫そして日本人」

 空気・水・土・太陽光・野生動物が何十万年もかけて絶妙なバランスを作り上げたのが、その地域特有の「生態系」。
 貿易等で短期間で移動してくる遠地の生き物(外来種)は、本来天敵によって数が調節され様々な要素の影響を受け合いながら紡いできた生態系を危うくします。消滅する外来種もいますが、敵なしの天地で爆発的に増える場合もあります。

◆アメリカシロヒトリは戦後間もなくアメリカから入ってきました。梅、柿、桜などの葉を平らげる害虫として有名に。しかし当初は敵なしでしたが、入国後70年も経つと「日本虫」風になったのか、鳥やアシナガバチ、クモの仲間が天敵になりました。

◆日本産の蟻は約270種。人に病原菌をうつす等の害を与えるものはありません。アブラムシと共生しているものは1/4程度。アブラムシやカイガラムシの出す甘汁を巣へ運ぶので、植物がスス病(甘汁にカビが生え、葉が黒ずむ)になり難くなります。カタクリ、スミレは種に蟻が好む成分をつけて種を運んでもらうように進化しました。

◆アブラムシは多様性の元となる虫です。その為、天敵は沢山います。

◆ハチ類は是非庭へ呼びたい虫です。ハナバチの仲間(マルハナバチ、クマバチ、ミツバチ)は植物の受粉に欠かせません。人間の植物食料の1/3以上が、昆虫の受粉によって作られています。
狩りバチも幼虫のエサとして大型のイモムシ、ケムシを狩るものや(スズメバチ、アシナガバチ)、卵を生み付ける為のアオムシを狩るものがいて(ジガバチ、ドロバチ、ベッコウバチ)、頼もしい限りです。

 *スズメバチ
 一度使った巣のそばには再度作らないので、空の巣はそのままにしておく。

 *アブラムシ
 木酢液をスプレーする。

 *ドクガ類、イラガ類、カレハ類
 幼虫は枝ごとビニール袋へ入れてから切り取り踏み潰す。冬に卵を見付けだして取り除く。
 (日本の蛾は約6000種。このうち、幼虫の毛に毒があるのはごくわずかです)

 *ムカデ
 噛まれないように気を付けましょう!
 ナメクジやヨトウムシの天敵でもあるので、大切にしたいところです。

◆日本虫は、幼虫が葉を食べたとしても数十枚程度なので、薬で全滅させる必要はありません。天敵がいるので何匹か残して取り除くと良いです。特定外来植物は、他人の土地に生えていても抜いて構いません。しかし日本人には難しいでしょうか。




火垂る(ホタル)のこと

◆日本人には親しみ深いホタルは、世界で約2000種あり、日本産はこのうち46種。成虫が光るのは約半数の21種だけです。

◆入間市とその周辺のホタルは6月下旬が飛翔のピーク。主にゲンジボタルとヘイケボタルです。

◆ゲンジボタルはオスが10〜16mm、ヘイケボタルは7〜8mmで、メスは各々2mm程大きくなります。ゲンジは流水に生息し幼虫のエサはカワニナ、ヘイケは田んぼ等の止水に生息し幼虫はカワニナの他にタニシも食べます。因みに、食べるカワニナは24匹くらい(ゲンジ)。成虫になると殆ど何も食べません。

◆成長すると4〜5月の雨天・無風の夜に上陸、土に潜って蛹になります。50日前後で羽化、オスは光りながら飛び、メスと交尾して一生を終えます。飛翔はわずか3〜4日です。メスは川岸のコケに産卵し、卵は約30日後に孵化、幼虫は水に入ります(ゲンジ)

◆ところで主食の「カワニナ」って何?
水に生息する巻貝で、水底の朽ち葉、藻、セリの葉等がエサです。上流に石灰岩があり、カルシウムを多く含む水質を好みます。

◆ホタルと言えば「水辺」のイメージですが、幼虫が水棲なのは日本産の3種、台湾産の1種のみ。とても珍しいのです。色々な条件が揃わないと生きられないホタル。大切にしたいものです。




ガン・カモ科鳥類生息調査

日時:2012年1月14日 9:00〜11:00 晴れ(強風)
場所:狭山湖(埼玉県所沢市・特定猟具使用禁止区域)

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コガモ142113
マガモ7771
キンクロハジロ33
ホオジロガモ12

・この他、カルガモ26羽を含め、合計438羽でした。
・ガン類、ハクチョウ類は見られませんでした。

上記鳥類の他に観察されたもの
カンムリカイツブリ 261
ハジロカイツブリ 32
アオサギ 4
ダイサギ 1
ノスリ 1
トビ 1
オオタカ 1
カワウ 27

ツグミ、メジロ、ホオジロ、カワラヒワ、セグロセキレイ、ハクセキレイ、ヒヨドリ、タヒバリ(声)
シジュウカラ、スズメ、ハシブトガラス、ガビチョウ


「都市緑地法」運用指針の改正(概要)

生物多様性条約COP10(H23年10月)の成果や、
生物多様性地域連携促進法(H22年12月)等を踏まえ改正

◎追記 緑の基本計画
 ・中核(※1)、拠点(※2)、回廊(※3)、緩衝(※4)の役目を持つ各地区の配置。
  これらの緑地によるネットワーク(エコロジカルネットワーク)の形成を図ることが望ましい。
 ・別途「緑の基本計画における(※5)生物多様性の確保に関する技術的配慮事項」を作成。
 ・「生物多様性地域戦略」が策定されている場合は、当該地域戦略に留意することが望ましい。

◎追記 生物多様性地域連携促進法
 ・緑地保全地域、特別緑地保全地区における行為の規制の特例


※1 都市の郊外にあり、他の地域への動植物種の供給等に資する核となる緑地

※2 市街地にあり、動植物種の分布域の拡大等に資する拠点となる緑地

※3 ※1〜2と結び、動植物種の移動空間となる河川や緑道等の緑地

※4 ※1〜3に隣接しており、これらの地区の機能が安定して発揮される為の中間的緑地

※5 作成にあたり、生物多様性の確保の為、都市におけるエコロジカルネットワーク形成の
   重要性を認識、「緑の基本計画」を活用する。
   又、「緑の基本計画」策定・改定時には、@自然的条件及び社会的条件の現状調査
   A調査結果の分析と課題の整理 B目標の設定 C緑地の配置方針 D施策の検討
   Eモニタリング 等を行い、生物多様性へ配慮する。




秋の夜は美しい月を愛で、虫の音に聴き入る

古では、貴族の高雅なあそびだったそうです。草原・湿地・木立の各々に個性豊かな求愛の声。子孫を残すため、短い命を鳴きつくす虫たちの声に、私たちも耳を傾けてみましょう。

@住んでいるところ A食べ物 B大きさなど C声

■キリギリス
@草原・畑・河原などの日当たりの良い草地
A草の葉・昆虫の死骸
B6cm 緑色・足先は茶色
Cギーッ チョン

■カマキリ
@ススキ・ヨシ・カヤの多い草原
Aイネ科の草の葉
B〜8cm 緑色
Cジーという大きな声・連続音

■クサキリ
@湿った草地・ヨシ原など
Aイネ科の草の葉
B〜5cm こげ茶色
Cジーという連続音

■カネタタキ
@林の縁の草むら・庭木・家の中
A植物の葉・昆虫の死骸
B〜1、2cm 薄茶色・背に黒い横じま
Cチッチッチッと一日中鳴く

■ツヅレサセコオロギ
@草原・畑・家の周辺・家の中など、どこにでも
A草の葉・昆虫の死骸
B〜2cm こげ茶色
Cリーリーと途切れず鳴く
※声が「冬の着物を縫ってしまいなさい」という様に聴こえるので、
 「綴れさせる」と名がついたとか。

■エンマコオロギ
@草原・畑・家の周辺
A草の葉・昆虫の死骸
B〜3.5cm こげ茶色
Cロロロロリー、ロロロロイーと切って鳴く

■マダラスズ
@道端・芝生・低い草地など地面に近いところ
A植物・昆虫の死骸など
B〜0.7cm 黒・後ろ足にまだらの模様
Cジー、ジーと一日中鳴く
※この仲間は、生息場所と体色が合っている。
 シバスズは芝に似た薄茶色、チビスズは深い林の中に似た黒

■カンタン
@クズ・ヨモギの多い草地
A植物の葉・昆虫の死骸
B〜2cm 薄い黄緑色・弱々しい姿
Cルルルルーと低く連続して鳴く
※名前は中国の故事「邯鄲の夢」から。眠りを誘う様な声なので?

■アオマツムシ
@町中の木の上
Aサクラ・果樹の葉
B〜2.5cm 緑色・背が平たい
Cリーリーと甲高く鳴く
※明治時代に中国から入ってきた、帰化昆虫




都市再生基本方針

平成14年7月19日に閣議決定され、4回の部分を変更を経て、平成23年2月4日に発表された。
都市は人々の生活や経済活動の場を提供する国の活力の源泉。国民の生活と産業の国際競争力の向上を推し進める上で、都市の再生は中長期視点と幅広い視野の下で行われることが重要。
都市構想や戦略は、直面する課題など各地域の事情に合わせ知恵を結集して確立する必要がある。
基本的には、都市機能をコンパクトなエリアに集中させる構造への転換が重要。
自然災害や犯罪、事故によるリスクの抑制。
文化、歴史、自然などの継承と創造、自然と共生した都市作り。
三大都市圏などの大都市は国全体の成長を牽引する。経済活動に必要な資金、人材、技術などの集積により、国際競争力の優位性を持つ産業の育成など、中核的役割を担う。
ただし、人口の増加が予想される高齢者の生活の質の向上や、大都市に集中する環境負担の低減に充分な配慮が必要。
都市再生の為に、政府が重点的に実施すべき施策に関する基本的な方針として、関係者(官民ともに)との緊密な連携のもと都市のコンパクト化、質の高い生活を確保する為の諸機能の整備、環境負担の低減と自然との共生などについて具体的に提示。
大都市における再生の基本方針も同様に提示。集積のデメリットの抑制も加えられる。
諸々の政令の立案に関する事項。
整備計画の作成に関する事項。




カエルツボカビ病のその後

カエルの大量死とツボカビ病の関わりがオーストラリアから報告されたのは1998年。中米・オーストラリアで猛威を振るい、絶滅した種が続出する。2007年、東京都内でペットの外国産カエルがツボカビ病で死に、関係学会が緊急事態宣言を出す。
環境省の行った野外調査によると、日本の在来種のカエルからも4種類のツボカビのDNAが検出され、そのうち2種類は沖縄在来、1種は日本在来の菌である可能性があることが分かった。日本のカエルはツボカビと共に進化し、病気への抵抗力を得ていると考えられる。実際、日本(を含む東アジア)では、ツボカビによるカエルの大量死の報告はない。




身近に見られるスズメバチ

人家近くに生息し、駆除件数の多いスズメバチは、オオスズメバチ・キイロスズメバチ・ヒメスズメバチ・モンスズメバチ、そしてコガタスズメバチで、営巣場所が限定的ではありません。色々なものを餌にするなどの共通点があり、都市型ハチと言えるでしょう。

『コガタスズメバチの営巣』
5月下旬、女王バチが単独でトックリを逆さにした様な形の巣を、木の枝や軒下などに作ります。



6月中旬から働きバチの羽化が始まり、巣の口の部分(筒状の部分)を壊していき、この時期から球状になります。この後、新しい外皮を張りながら内側を削り巣盤の材料に使う為、この形を保ったまま大きくなっていきます。
・巣の大きさ:最大で直径30cm。巣盤は5層以内。
・色など:材料により、白から焦げ茶のグラデーションで、ウロコ模様。
・コガタスズメバチ:女王バチ…25〜30mm/働きバチ…22〜28mm
 ⇒オオスズメバチを小さくした姿。
 ⇒攻撃性は低い(刺激すると激しく反撃)
 ⇒あらゆる昆虫を狩り、花の蜜も好む。

参考サイト:『都市のスズメバチ』より「名古屋のコガタスズメバチ」




生物多様性「条約」から「基本法」へ

■「地球温暖化」や「ビオトープ」という言葉はほんの10年前までは殆ど耳にしなかったような…。それが近年、テレビは薄氷の海を泳ぐシロクマを映し、ラジオは「ストップ温暖化!」と叫びます。町の公園の池にはビオトープという看板が立てられ、訪れる生き物の名が記されています。

■次は「生物多様性」の普及でしょうか!まず言葉から、そして行動へ。なぜなら生物が多様でなければ人類は生きていけないから…。

■1992年、地球サミットが開催され、生物多様性条約が出来ました。持続可能な発展と種の絶滅にブレーキをかける為、その後、締約国会議が何度も開かれ、いよいよ2年後は日本の番。さて、その日本の戦略は?

■5月に成立した「生物多様性基本法」は、自治体へも対策を求めていますが、市町村には各々自前の「環境計画」を持っているところもあります。地元企業や一般市民も巻き込み易いように形を整えて、行動に移していく時でしょう。

■因みに、今年の環境展(入間市主催6月)の支部展示は、計らずも「緑化の質=多様な在来生物の大切さ」でした。多種の虫も鳥もいない「緑」の価値は如何ほど?ということを考えてみましょう。


「虫の子供達、大募集」2008年夏バージョン〜庭で育てるチョウのあれこれ〜

■緑の野辺を舞うオレンジ色のチョウや、林緑の草花にとまる青いチョウ、グーンとエンジンのような音と共に高速で飛ぶ緑のチョウをご存知ですか?草原や雑木林の減少と共に姿を消しつつある彼等も、あなたの少しのガマンで割と簡単に見ることが出来るのでは?

■オレンジ色の丸い羽に黒の水玉模様のツマグロヒョウモンの子供は、黒い体に赤いライン、とげとげのある毛虫。食草はスミレの葉。林や野原のタチツボスミレやパンジー等の園芸種もOK。

■濃青のギザギザの羽に、水色のラインのルリタテハの子供は黒い体に白いトゲトゲの毛虫。食草はユリの葉。林によくあるサルトリイバラや庭のホトトギスは好物。涼しい木陰を好むとか。

■黄緑の体に透明の小さな羽で、ホバリングしながら花の蜜を吸うオオスカシバの子供は、緑色の大きなイモムシ。尻尾のような尾角がある。食草はクチナシの葉。林に自生しているものや園芸種でもOK。

■小さな羽でホバリングする茶色の虫はホウジャク。子供は緑色の大きなイモムシで尾角は茶色。食草はカズラの葉。ヘクソカズラや園芸種のカズラ類でもOK。

■大きな羽で木陰を優雅に飛ぶヤママユの子供は太くて大きい凸凹の緑のイモムシ。中でもオオミズアオの大人が夜、街路灯の光の下で飛ぶ様子は幻想的。食草はサクラ、ハナミズキ等の葉。街路樹に多い木種なので見付け易い。

■小さなチョウを紹介します。黒く丸い羽に太さの違う白いライン3本が入ったコミスジ。表側はオレンジ色のグラデーション、裏は白い羽を持つウラギンシジミの子供は枯葉をひねったような姿。各々の食草に近い色をしている。食べ物はクズ、フジの前者は葉、後者は花。

さて、子供達の食草はどこにでもある雑草や園芸草花です。イモムシ・ケムシだから、雑草だからと直ぐに取り除かないでほしいもの。少しガマンして見守ってあげると、やがて魅力的な大人に成長します。ただ、木を丸坊主にされると困るので、時には間引きも必要?




外来種と在来種

■度々問題にされるブラックバスやブルーギル、稀少なアマミノクロウサギやヤンバルクイナに被害を及ぼすジヤワマングース等は、特定外来種と呼ばれます。人の生活や生態系に深刻な影響を与える為、駆除が必要です。

■例えば、埼玉県でも駆除の対象となったアライグマ(2007年現在55市町で防除計画あり)。農業被害が大きいとなれば誰でも害獣と認めるけれど、【※1】生態系被害の方はタヌキやキツネが被るだけだと考える人がいるのでは?

■在来種と呼ばれるホンドタヌキやキツネは、長い年月を掛けて他の生物との間に整った食物連鎖の輪を作ってきました。自然からの恩恵で生きている人間は勿論この輪のお陰で命を繋いでいる訳だから、輪(生態系)が崩れたら大変。

■それなら特定外来種生物の条件である『猛烈な繁殖力』や『凶暴』でなければ、外国・別地域原産の生物を野に放しても良いようですが、人に手によるものは自然の変化に比べるとかなり急激です。【※2】新入り生物に対する共存の遺伝子を作るのが間に合わずそれまでにそこにいた生物が消滅することも。生態系は『激変』を嫌うのです!

■戦後10年。東京タワーが建ち、新幹線が走り、日本の風景が激変した高度経済成長期。自然生態系が目立っておかしくなり始めたのは、この時期とも言えます。ただこの時期をボーダーラインと考えるには異論もあり、はっきり引くことは出来ません。因みに大きな括りとして挙げられる時期は、この高度経済成長期と江戸時代の2つ。

江戸時代
欧米の工業技術が導入され近代国家に変わる明治時代以前は、日本原産生物ばかりだった筈。この時代にいた生物を「在来」としたいところですが、リストアップは困難。
高度経済成長期
外国原産生物(特に植物)は既に多いのですが、現在に比べると種類も数もずっと豊か。特定外来種を完全に駆除した末、この時代の生物層になるのなら理想的かも。


【※1】在来種全滅へのプロセス
アライグマvsホンドタヌキ
ソウシチョウvsウグイスなど
⇒食べ物・住処など競争するがタヌキやウグイスは勝つ術を持たない。
 ┣(タヌキの場合)人里へ出て来てネコと接触。
 ┃ →皮膚病により越冬不能、繁殖不能→絶滅(遺伝子の消滅)
 ┗(ウグイスの場合)数の減少→絶滅(遺伝子の消滅)

【※2】「激変」の種類は主に2つ、「速さ」と「範囲」です。例えば樹木が種子を飛ばして分布を広げる距離は年間40mから2q程。貨物の輸送などと共に移動すると、この何十倍、何百倍になる筈です。子供達の間で人気のアトラスオオカブトムシが原産国インドネシアから地殻変動などで日本に自然移動するには、数万年以上、いやもっとかかるかもしれません(移動しないかも)このくらい時間がかかれば天敵も出来て、整った生態系の輪になれるでしょう。




環境ガレージより

まず初めに…

・2006年1月30日のブッシュ米大統領の発言に注目(日本のメディアは伝えなかったが)
『世界の石油消費量は2005年に生産量を上回っている。最新の調査結果から、石油エネルギーをベースにした文化は終わり新文化へ転換していくことが明確になった』

・持続可能な発展(リオ定義)の為の要素は、『自然生態系の保護と共存』をベースにした社会づくり。

・ゴミ問題の根源は、生態系の破壊。例えば、生態系の破壊を伴う道路やハコ物造り。この様な人口構造物は将来必ずゴミになる。


生態系破壊も色々

・多様な生物のいる環境が秀れているのだから、桜並木や杉林、コスモス街道、田畑作りといったモノカルチャーは×。

・河口堰は多くの生物を育む汽水域を失うので問題。

・コンクリートで固めた農業用水路や川の護岸は、土壌を窒息させるので×。


…なら、どうすれば良いの?

【公共事業なら】
・雑草の茂る土を残したあぜや用水路を作り、冬期も土を乾燥させない田んぼ作り。
・自然林を残す(または増やす)林業。
・街では公園林や街路樹の多様化と面積拡大。川の護岸の土の復活。

【身近なところなら】
・庭の草むしりはしない。草が伸びたら一部残して刈る。
・家の屋根の緑化(家が建つ以前にあった草を乗せるという考え方)




2006年環境展「草って悪者?」意見まとめ

○草刈り賛成 ×草刈り反対 △やり方次第

【○草刈り賛成】
1:あまり草を伸ばさない。
2:16号のみずほモールへ曲がる道のセンターに草が、背丈が高く前方から来る車が全然見えないので…キケンな場所を作る場合がある。

【×草刈り反対】
3:見通しを良くすると車のスピードが出る。一時停止・徐行させるために、見通しを良くしない手もあるよ!(角は徐行だよ)
4:(3の意見に対して)草があるから危険じゃなく、危険な人がいるから危険。
5:昔のように原っぱが殆ど見られなくなってしまった今、草地は貴重なものと思います。
6:刈り過ぎです。ゴルフ場じゃないんだから。土手の草むらは虫や鳥の住み家です。
7:そもそも草刈りは何の為にするのですか。莫大な費用がかかる筈ですよね。たまには市民にも説明して!
8:猫たちの為にも薬を撒くな。
9:草が可愛そうです。がんばって〜(草へ)
10:草むらには色んな生き物がいるので、子供たちは大喜び。あまり刈らないでほしいです。

【△やり方次第】
11:夏の草が風にうねる。思わず「おお牧場は緑」その景観が美しく自慢だったのに、一斉に草刈りをすると茶色になる。生き物もいなくなりし〜ん!とする。不気味。最低限でいいんじゃないの。
12:鳥の繁殖期はやめるとか、工事の人は考えてくれてるのかなぁ。土手を見るたび心配。
13:時期を適切に選んで行うのであればいいのかも、でも歩く部分の両脇くらいに限定したらいいと思います。
14:草を抜くのは良いが、抜き過ぎない!!
15:色々な問題点があるのかもしれないけれど、ただ除草剤を使用したり草を刈るだけでは解決出来ないと思います。一人一人が問題提起と解決策を考えて自然を守ることが大切だと思います(所沢市 N.S)

?:きれいなかわとときます。きれいじゃないかわとりません。


又、「受け付けの環境課の人が質問に答えようとしなかった(答えられなくても、答えられそうな人を探すなどの誠意がなかった)」という苦情もあったようです。これもまた、改善すべき点ですね。




椎茸のほだ木は痛めつけてからのこま打ちが良い?

●伐った後、1ヶ月くらい地面に放置。井形に組んで更に数ヶ月置いてからこま打ちが良いとか。
●水につける・投げ飛ばすなどの乱暴(?)をしても良いと言う人も。何故でしょう。





『犯人はカラス?』

屋根の止め金が外されている。
幸い外されたのは1ヶ所だけで、屋根は開か
なかった。

『ネコ対策』

木を登れないように棘のある山椒の枝を縛りつけた。効果あり。




『毒草・薬草講座』より抜粋

1) 毒にも薬にもなるもの
 ⇒ ハシリドコロ・オニドコロ・クララなど

2) 「毒草」の多いグループ
 ⇒ トリカブト類(猛毒)・キツネノボタン
 ⇒ ヨウシュチョウセンアサガオ
 ⇒ クサノオウ・タケニグサ
 ⇒ ヒガンバナ
 ⇒ シキミ
 ⇒ アセビ・レンゲツツジ
 ⇒ ノウルシ
 ⇒ スズラン
 ⇒ キョウチクトラ科・ヤマゴボウ科・ワラビなど

3) 「薬草」とされるもの
 ⇒ ゲンノショウコ・ドクダミ・センブリ・ガマ・クズなど

☆茎を切って黄色い汁が出るものは要注意